ton-cara の紹介
2022-05-20
先日、BS-TBS 【こころめぐり逢い 二胡と匠の旅】にて当館をご紹介いただきました。詳細はこちら。
さて、今日の本題はここから。
放送内で、私は「座繰り」を多くの人に知っていただきたくてワークショップをしているとお話しました。そのワークショップの施設『くらし手しごと舎 ton-cara 』について、改めて書いておきたいと思った次第です。
『くらし手しごと舎 ton-cara 』は、布施智水さんが主宰しています。染め織りにまつわるワークショップと民泊ができる施設です。
彼女がこの取り組みを始めた理由については、ぜひ
【 ―なぜ、この国の土から生まれた繊維で、
この国の人の身を包むことができないのだろう― 】をご一読ください。
ton-cara は 2017年の春にオープンしました。群馬県安中市内にある古民家を利用しています。
毎月定期開催しているワークショップ(以下、WS)は、機織り教室と座繰り、糸紡ぎの会、太極拳です。その他、春秋年2回の養蚕 WS や単日開催の楽しい企画がさまざまあります。最近では、ヤクランドさんによるブータンのカード織りWS が素敵でした。
ton-cara のWSの最大の魅力は『 蚕を育てることから糸作り、染め織りまでの工程を楽しめる 』ことです。
これが実現したのは、布施さんが衣食住の特に衣・繊維について深く考える機会があったこと、その経験に真摯に向き合ってきたことが大きいです。そして、養蚕から糸作りをする人と染め織りをする人が布施さんに共感して仲間になったことかなと思います。
では、蚕から染め織りまでの流れを簡単にご紹介しましょう。
① 蚕を育てる。
年2回 養蚕 WSを開催しています。5月から始まる春蚕と9月から始まる晩秋蚕です。参加いただくと、参加回数に合わせて繭を一定数贈呈します。この繭の使いみちはお客様によってさまざまですが、ton-caraで繭から糸を作ってみたいという方が多いです。
② 繭から糸をつくる。
現代社会では、蚕や繭にふれる機会はめったにありません。繭から糸はどのようにすれば出るのか、どんな道具を使って繭から糸は作られるのか、ぜひ体験いただきたいです。
③ できた糸を扱いやすいように加工する。
糸ができ上がると、より目的にふさわしい糸になるよう合撚糸や精練という加工を施します。撚糸に関しては、糸車を使った撚糸WSなどをご用意していますが、自分で行うにはかなりの時間を要することなどから、今のところ業者に手配しています。
④ 糸を染める。
この色糸は、植物の葉や幹、根などを煮出した液から染めたものです。どんな色にしたいか決まったら、講師に教わりながら自分で染めます。
⑤ 織る。
織りについては、基礎から段階を踏んで学ぶ教室が一般的ですが、ここでは、全くの初心者でも作りたいモノに向かってチャレンジしてみようというのを提案しています。
このアプローチは人それぞれです。難しい工程(織機のセッティングなど)は講師が準備し自分が取り組めそうな部分を楽しみながら完成させる人、失敗しても良いから自分で全ての工程を体験したい人などです。
作りたいモノがクリアにイメージできる人に最適な WSです。大作だと着物や帯に挑戦している方々がいらっしゃいます。
染め織りに興味はあるけれど、何を作れば良いかわからないという方には、ショール作りをご提案しています。
自分で製作した布を身にまとうのは最高にワクワクしますよ。
以上があらましです。
絹のほかには、和綿もありますので最後にちょこっとご紹介を。
◎ 糸紡ぎの会
ton-cara 店主の布施さんが案内する会。ton-cara の畑で種まきをするところから糸紡ぎまでをします。ときには苧麻などの野生繊維を採種して楽しむことも。
今年は綿の種まきは終わりました。これから夏になれば苧麻の季節ですね。
◎ 講師紹介 1
染め織り講師・坂田美波さん。
南足柄工芸研究所にて染織を学び、独立。染織作家。ton-cara では染織教室を定期開催しています。上述の染め織り以外にも、定期教室ではカリキュラムを用意しており、卓上織機や高機を使って基礎から中級、上級と学べます。その他、単日では糸染めのレクチャーや角真綿から糸を紡ぐ方法なども案内しています。
坂田さんの Facebook。
◎ 講師紹介 2
座繰り講師・東宣江。
蚕絲館主宰。ton-cara では、養蚕・藁まぶし作り・座繰り・糸車による撚糸・角真綿作りなどの WSを案内しています。
くらし手しごと舎 ton-cara
群馬県安中市上間仁田442
HP : https://www.ton-cara.com/
Facebook : https://www.facebook.com/kamimanita/
Instagram : https://www.instagram.com/fuse_tomomi/